この記事は はんドンクラブアドベントカレンダー2023 9日目の記事です。
くらげです。
毎年はんドンアドカレには写真や旅行系の記事を書いていた記憶がありますが、ポストコロナの今年は逆張りサカサクラゲらしく遠方に出かけることをそんなにしなかったので、そっち系であまり記事にできるようなネタがありません。
一方で生活環境の変化として今年引越しをしまして、キッチンやダイニングにスペースの余裕ができました。そこで元々自分で作って飲んでいたコーヒーを始め、いわゆる嗜好飲料の器具を追加で買ったり買い替えたりしたりして、昨年より飲みものづくりを楽しんでいます。
これらは世間的にはコロナ禍中の”巣ごもり需要”にカテゴライズされる買い物だと思いますので、今今買い求めるということはまさにサカサクラゲパワーを発揮したというわけですね。なので今年は、my new gear...した飲料に関する調理器具のことについて書きたいと思います。*1
コーヒー
現在コーヒー豆は焙煎済みのものを3種類(深煎り・浅煎り・カフェインレス)程度家に買い置くようにしていて、淹れ方はプアオーバー*2だけです。挽くところから自分でやっていて、その時に飲む分だけを作るためコーヒーメーカーの類も今は持っていません。
昨年まで基本的にアイス・ホット問わず深煎りの豆だけを用意してネルドリップ中心で淹れていましたが、浅煎りも飲むようになったことをきっかけにペーパードリップメインに戻りました。飲む頻度は日に0~2回で、在宅勤務中の場合は淹れる所作もいい気分転換になっています。
グラインダー - Fellow Ode Brew Grinder Gen2
豆を挽く電動ミルです。
元々はんドン公式手動ミルであるところのTIMEMORE C3 MAXを使っていましたが、浅煎りの豆が硬すぎて手でまともに挽けず、まあ電動一つあってもいいかあ……とエイヤで買いました。
刃がフラットカッターなので挽くのに要する時間がとても短くて済み、かつ揃った挽目の粉が出てきます。多すぎると雑味が出てしまう微粉もスペック通りいい塩梅に抑えられた粒度分布になっている感じがします。
グラインダーにおいては避けて通れない粉の飛び散り問題も、除静電機能のおかげで机を汚さないところが最高ですね。
このグラインダーはドリップコーヒーに特化した挽目帯になっていて、粗挽き方向は水出しコーヒー用の挽き目ぐらいなら大丈夫ですが、細挽き方向はマキネッタ用ぐらいが限界で、エスプレッソマシンで使うような極細挽きにはできません。エスプレッソにも憧れはあるんですけど結局ドリップばっかり飲んでしまうような気がして、中途半端に手を出さない方がいいと割り切ったポイントです。
ちなみに商用電源周波数が50Hzの東日本だとモーターのパワーが足りないのか、油つるつるの深煎り豆が中で滑ってちょっと残ったりするところは愛で乗り越えています。もちろん国内100Vでの動作保証はされてはいるのですが、商用電源電圧の高い国からの舶来品だからしょうがないね。
ドリッパー - 三洋産業CAFEC フラワードリッパー DEEP27
ドリップコーヒーを淹れるためのペーパーをセットする器具です。
ペーパー・ネル問わず含めたくさん持っているドリッパーの中で、特に気に入ったのがこれです。汎用の安いペーパーフィルターは使えず、しかも1人分の量しか淹れられない、商品的にも物理的にも尖ってるやつです。
HARIO V60に代表されるような通常の円錐形のドリッパーよりも鋭角な円錐形をしていて、抽出部分にかなり高さというか深さがつけられています。それによって投入した湯が粉に触れる時間が長くなり、少ない豆量でも充分な抽出ができる……という触れ込みですが、実際浅煎りでもしっかり抽出できる一方でスッキリしていて、舌に雑味の嫌な感じが残ったり過抽出しやすいということはないです。
他のドリッパーで1杯分抽出するのと比較すると、粉の深さの差がより大きくなるので、そのあたりの違いも関係しているように思います。
ただやはり長く湯を注いでいると抽出後半の苦み・渋み成分もより出やすい印象で、ヌケは悪くないので抽出のコントロールはしやすい方だとは思いますが、その分コーヒー豆の挽き目が強く影響する感があります。裏を返せば、湯量と挽き目が一定なら安定した抽出ができると見ることもできますね。
一杯取りの時の豆の量が少なくて済み、投入湯量と挽き目を間違えなければ浅煎りでも深煎りでも変なコーヒーにはならないので、1人分を淹れるときはだいたいこれを使っています。
ただ前述の通り専用のペーパーフィルターが必要で、このドリッパー自体広く売られてるものではないのも相まって探すのが難しいです。そしてその価格は100枚500円、他のドリッパーと比べると大変コスパが良くないです。(amazonでも送料有料のマーケットプレイス出品しかありません)
わたしは合羽橋のコーヒー器具屋さんの店頭でドリッパー共々購入したんですが、フィルター切らす度に合羽橋に行くのは面倒なので買いだめしています。
スケール - TIMEMORE Black Mirror nano
抽出時にドリッパーに投入した湯量を計る、タイマー付きスケールです。
これを買う前は普通の料理用はかりとスマホのストップウォッチ機能で代用していました。やっぱりタイマーがスケールに一体化してたほうが断然作業が楽です。いちいちスマホ持ってきてアプリ起動なんてめんどくさいですからね。(詳細は省きますが投入する湯量とタイミングを変えることで出来るコーヒーの味が変わるため時間管理が大切なのです)
コーヒースケールは色々ありますが、小型で少々お高めなこれを選んだ理由は、持っているKINTOのドリップスタンドの上にピッタリ置くことができ、投入湯量だけでなく抽出量も計ろうと思えばいけるサイズだからです。まあ湯量の方が大事なのであまりスタンドの上だけに置くことはしないんですが。。
ちょっと話は逸れますが、中国メーカーであるTIMEMOREにはちゃんと正規日本代理店がいる一方で、TIMEMORE自身がAmazonで日本向けに越境販売しているようです。さらに他の中国の小売店もが「TIMEMORE専門店」等と称して同じくAmazonで越境販売しているので、跋扈するそれらのコピー品も加わって彼のECサイトには同じようで違ったり同じだったりする商品が大量に並び、大変紛らわしいことになっています。
さらにややこしいのは「本物」であっても、コーヒースケールは計量法に定められる家庭用特定計量器に該当するので、関連JISへの適合とその旨を丸正マークとして製品に明示する必要があり、そうでないものは(一応)違法な商品 *3である点です。
海外製の体重計やスケールは、基本的に輸入業者が適合確認し丸正マークのシールをくっ付けたりして国内販売されるものですが、販売業者が海外拠点だったりしていいかげんだと、法規対応もなおざりだったりすることが多々あります。
脇道に逸れたままの話を詳しく書き続けているところから何となく察してもらえたかと思いますが、最初にAmazonでTIMEMORE公式を謳う出品者からこのスケールを買ったら丸正マークがないものが送られてきました。
経産省にチクったところで海の向こうの業者に罰則を科してくれるかどうかは知りませんが、少なくとも利用者としては自身に罰則が無かろうと気分の良いものではなく、丁重に返品させていただきました。
このようにAmazonなんかは公式出品でも適合表示が適当で注意のしようがない(わざわざ日本向けにちゃんとしてくれてるところも多くあります)部分があり、手間暇をかけて見極めたりするよりはやはり真っ当な国内業者から買うのがお手軽かなと思いました。
アリエクに入り浸るようなガジェオタ諸兄は技適やPSEには敏感だろうと思いますが、丸正マークの有無も是非気にしてみてください。
その他 - NUCLEUS PARAGON Chilling Rock
冷凍庫で冷やしておいたこれに抽出直後のコーヒーを通し、芳香成分がすぐに揮発しないよう急冷するのに使うステンレスの金属球です。
コーヒーコンペティション用のプロ向けツールを手掛けるNUCLEUSが発売したドリップスタンドPARAGONを構成する部品で、よりによって金色なうえ丁度”2個”同梱されており……つまり「きんのたま」ということで今年2,3度旧TwitterやMastodonなりで話題になった記憶があります。
わたしはスタンドを持っておらず、あるのは「きんのたま」だけです。なにせこのスタンドは25000円という中々のお値段で、香りが良くなるらしいとはいえそれだけのために……と思っていたら玉の部分だけばら売りしてくれる代理店を発見し購入に至りました。
玉を保持してくれる専用のスタンドがないので、ドリッパーを2段重ねにしてセットしています。要は直下で冷やせればなんでもいいわけです。
肝心の効果は、確かに口に含んだ時の広がり方が強いかなって思いますが、クラゲ舌なのでブラインドテストでも同時に飲めばなんとなくわかる程度……ただ、抽出液を薄めずにちょっとだけ急冷する関係で、出来上がりのコーヒーがアチアチにならず最初から飲み頃になっている点は想定外に良いポイントだなって思いました。
ちなみにわたしが知る中では神保町/銀座のロースター、グリッチコーヒーさんでは店頭でこれをつかっていらっしゃったので、気になる方は足を運んで運用中のきんのたまを見たり味わうのも一興だと思います。(浅煎り専門店です)
茶類
昔から緑茶が好きで、特に煎茶を淹れて飲むことは、(嗜好品として)味わいを楽しむ目的を通り過ぎて普段の生活の一部になっています。改めて今年買ったものは少なく、下記に挙げた2品も、必要に迫られて買い替えたものです。
一方で、弊家では紅茶にスポットライトが当たる頻度は少なめです。頂きものの茶葉や、何らかのティーバッグを使って時折ハーブティーを飲んでいます。
茶筒 - 下村企販 茶考具 茶筒
煎茶用の茶葉をこれに入れています。
蓋の嵌合がおかしくなってしまったブリキ製の茶筒からの買い替えで、買い替えるにあたってもっと密閉具合に評判のある錫製のものとかも検討しましたが、毎日開閉してればどれだけ密閉力高い容器だってあまり関係ないよな、ということでステンレスのこれにしました。
槌目がおしゃれで気に入ってます。よっぽど変に汚れるものでもないんですが、ステンレスなので適宜洗えるというのも扱いにあまり気を遣わなくてよいです。
ほうじ茶など他にも茶葉を家に置いているのでそれらにもオシャレ茶筒を用意してあげたいですが、煎茶以外は買う量も使う頻度も多くはないので、アルミパック容器そのままだったり、買ったときについてくる缶で保管しています。
茶筅 - 茶論 真数穂 白竹
シャカシャカして抹茶を点てるための道具です。
寒い季節に抹茶・抹茶ラテが飲みたくなったとき、茶碗(広義)で適当に点てるときに使います。
抹茶を家で点てるような方はさほどいないと思うのでご存知ない方もいるでしょうが、茶筅はそれなりにサイクルの短い消耗品で、使用頻度にもよりますがだいたい半年ぐらいから先が変に曲がったり折れたりしてダメになってきます。まあ竹製なので。
わたしは頻度も少なければ茶道を修める為に使うわけでもない、文字通り自分用に適当にシャカシャカしてるだけだったせいか、先代の茶筅は安物の割に長年壊れずにもっていましたが、夏の終わりとともにポキポキ折れてしまったため買い替えと相成りました。
一般的に茶筅の泡立てる先の部分「穂」の数が多いほど耐久性が低い代わりに泡立ちがよいとされていて、これは以前の物より穂数が少ない「真数穂」なんですが、細かい泡が立つまでの時間はそう変わらない気がします。細身で持ちやすいのと、穂のしなりがいいんですかね。
贔屓のお茶屋さんに薦められたちょっといいやつなので、先代のものよりもっと長く丁寧に使っていきたいです。
炭酸水
炭酸水は主に水分補給目的で水代わりに常飲しています。
一般的にはゼロカロリーで口寂しさや空腹感をなんとなく抑えることを目的に飲用することもあると思いますが、わたしは単にシュワシュワする飲み物が好きなだけで健康効果はあんまり気にしていません。
一方で外でアルコールが飲めるようになった分、家で飲む頻度が激減したので、割材として炭酸水を利用する場面はかなり少なくなりました。
炭酸水メーカー - aarke Carbonator 3
シャレオツ炭酸水メーカーです。
ガスの充填には、他社製品であるソーダストリームのガスカートリッジを使用します。が、この本体はそのソーダストリーム本体の2,3倍のお値段しますし、それと比して機能的に特に秀でた点があるわけでもないので本当に見た目に用がある人向けの品です。
当初炭酸水メーカーで炭酸水を作るメリットはペットボトルゴミが出ないくらいだと思い込んでいました。
今年まではウィルキンソンの500mlをまとめ買いする運用だったのですが、実際炭酸水メーカーを使ってみると、ゴミが出ないこと以上に、常にできたての荒々しい炭酸が得られることの良さに気付きました。ペットボトルはどうしても保管中に炭酸がちょっとずつ抜けていくので、いつ飲んでも同じ強さなのは普段使いに嬉しいポイントなんですね。
あとペットボトル炭酸って氷を入れたタンブラーに勢いよく注ぐと細かい泡がドバっと出て噴きこぼれてしまうので、慎重に注ぐ必要があったんですが、炭酸水メーカーの炭酸は泡が大きいせいか一気に注いでもほぼ噴き出ません。これもとても楽でいいです。
テーブルウェア
あまり食器にはこだわらない質でしたが、キッチンやダイニングを広げいろいろ手を出すうちにカップなどにも手を染めたくなってきました。といっても知識もJPYも不十分、まだまだ距離を置いて実用的なところ優先で選んでいます。
真空保温タンブラー - STTOKE Gサイズ
内側がセラミックコーティングされたステンレス保温タンブラーです。
ステンレスタンブラーにコーヒーを入れるとなんとなく口当たりが変わる気がしていて、いくつかあるセラミックタンブラーの中でSTTOKEを選びました。蓋の形状が開けやすそうだったのが決め手です。保冷機能は余裕で半日保ち、保温機能は蓋をしていれば3時間程度は飲み頃のまま大丈夫でした。
ただこの決め手になった蓋は開け閉めしやすい反面、ロック機構がないので、鞄などに入れての持ち運びには適していません。無理やり持ち運ぼうとして大惨事一歩手前*4をやらかしたことがあります。
あくまでタンブラー、持ち運び目的にはやはりちゃんとした水筒型のものを用意したほうがいいですね。
タンブラーグラス - iittala カステヘルミ タンブラー クリア
冷水、冷茶を入れる為に使っているタンブラーグラスです。水滴の意匠部分がキラキラ光を反射する綺麗なグラスで、見た目がよい割に適度な重みもあって普段使いしやすくかなり気に入ってます。
お気に入りの喫茶店でこのカステヘルミがお冷グラスとして使われていて、ずっと憧れがあり引越しを機に替えてみました。
普段入れているのはミネラルウォーターですらない冷蔵庫で冷やしたただの浄水ですが、キラキラするグラスと水面を眺めているとなんとなく特別なものを飲んでいる気分になれるのだから人間適当なもんです。いやクラゲだからか。
おわりに
amazonや楽天の購入履歴を見ながらバサッと書き上げましたが、想像以上にコーヒー寄りの内容だったような気がします。
実際のところ煎茶や紅茶にも語りたいことが色々あるんですが、今年買いそろえた物があまり無くて触れられず、既存の器具まで話を広げると取り留めが無さ過ぎてしまうので、まあこんなところでしょうか。。
はんドンにはコーヒーを自分で淹れて作ってる人が多くいらっしゃるので、コレ使ってるよとかアレおすすめだよとか、話題の一つにしてもらえると嬉しいです。
さてさてはんドンアドベントカレンダーも中盤戦に突入です。明日はサバ・カンであるところのはんさんの記事ということで、今からワクワクですね!
*1:各章の最下部につけている商品リンクは極力公式/正規国内代理店のURLを貼っていますが、hatenaの埋め込み機能でうまく表示できないサイトは代わりに別のEC事業者の商品ページを貼ったりしてますので気にする方はご注意ください
*2:上からお湯を手作業で落として抽出する淹れ方のことで、いわゆる手動のドリップコーヒーです
*3:主に表示のない製品を「販売すること」が違法で、輸入販売店には罰則があります。https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun/techno_infra/13_gaiyou_kateiyoukeiryouki2.html
*4:水を入れて試したところ鞄の中で蓋が外れ見事に漏れました。袋で包んで漏れても大丈夫にしたつもりが袋も破れてて鞄の中がちょっと濡れてしまいましたが、コーヒーじゃなくて本当によかった